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間違いだらけの顧客アンケート
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中小企業の経営戦略において
「顧客第一主義」
という言葉があります。

確かにお客様の声は大事です。

ただしです。

お客様の声の活かし方は中小企業と大企業では違うのではないか??

と私は最近つくづく思うのです。

そこで今日は、中小企業がやるべき
「顧客アンケートの正しい使い方」
について私なりの考えを書いてみたいと思います。

飲食店Nさんの事例

先日、飲食店を経営するNさんからこんな質問がありました。

石川さん
顧客アンケートについて質問です。

実は今、コロナで下がった売上を戻すためにお客様の声を集めているんです。

1月から始めています。
いろんな声が上がって、どうしたらいいかと悩んでいます。

例えば料理のボリュームです。
1月からメニューを変更してお料理のボリュームを増やしたんですね。

中高年のお客様は
「量が多すぎるかも」
という声が上がっているのですが
20代の若い人からは
「量が多くてうれしい」
という声になっています。

お客様の声を活かすにはどうしたらいいと思いますか?

皆さんはこのような相談を受けたらなんて答えますか?

確かに料理のボリュームや味付けはお客様によって好みが違います。

統一できるものではありません。

ではどうすればお客様の声を活かして売上を伸ばすことができるのでしょうか?

アンケートの目的は何ですか?

大事なことは
「アンケートを取ること」
ではなく
「アンケートを活かして売上を伸ばすこと」
です。

大企業では顧客アンケートに数億円の予算を投下して数百人の人員を使って分析します。

しかし中小企業にそんな余裕はない。

したがって、大企業と同じようなアンケートは中小企業は難しい。

そこで私はこうお答えさせていただきました。

アンケートを作る際に
まず初めに目的を明確にすべきかなと思います。

このアンケートは何のためにやるのか?

顧客を増やしたいのか?
顧客単価を上げたいのか?
それとも顧客リピートを増やしたいのか?

その目的によってアンケートの内容を変えるべきだと思います。

だから
お店として何が課題で
どうしたいかを決めてから
その目標に合わせたアンケートを考えて
お客様に提案すべきかなと思います。

例えば
顧客を増やしたければ
「何を見て来店しましたか?」
を詳しく聞いて来店動機を分析し、
広告戦略を改善していくべきです。

逆に
顧客単価を上げたければ
「新メニュー開発に協力願います」
と書いて
顧客単価の上がる新メニューをお客様にいくつか提案して意見を聞くのがいいと思います。

このように
お店側で

・自社の課題は何か?
・何をどう解決したいか!

を先に決めてアンケートを取ったほうがいいかなと思います。

顧客の声に振り回されていませんか?

「お客様の声を聞く」
というとお客様に意見や要望を聞くことが目的になりがちです。

例えばです。
お客様の要望を次々受け入れてメニューをどんどん増やす飲食店があります。
壁いっぱいに手書きのメニューがペタペタ張られています。

増やしたメニューの分だけ食材の在庫が増えロスが増えます。

従業員の調理の手間も増えます。

食材ロスや調理の手間は原価率を上げ利益を圧迫します。

お客様は多少喜ぶかもしれませんが、果たしてお店の売上や利益はどれだけ伸びるのでしょうか?

メニューを増やせば従業員の給料はどれだけ上げられるのでしょうか?

逆にメニューが増えるたびに従業員の負担が増えてしまっていませんか?

お客様の声は大事ですが、もっと大事なのは従業員の声ではないですか?

私はこういうアンケートを
「御用聞きアンケート」と呼んでいます。

「何かご意見、ご要望ありませんか?」
というアンケートです。

大企業ならまだしも
人、モノ、カネに余裕がない中小企業は
こうしたアンケートは向かないと私は思います。

アンケートの正しい使い方とは!

私がお勧めする中小企業のアンケートは
「提案型アンケート」
です。

「今日の料理はいかがでしたか?」
という意見や要望を聞くアンケートではなく

「新メニュー開発に協力してもらえませんか」
とお客様に提案する。

そういう提案型のアンケートをお勧めします。
提案型にすることで
お店が進みたい目標に合わせた
お客様の声を聞くことができます。

それが私の理想とする
「提案型アンケート」です。

皆様の会社もぜひ
「提案型アンケート」にトライしてみてほしい。

提案型アンケートを使って
お店の進みたい方向性を指し示し
お客様や従業員を味方にしていきましょう。

今回は以上