支援実績

兵庫県香美町で町立国民宿舎の運営を引き継いで指定管理者に。地元有志から出資を募り運営会社のさかえ開発を設立し、「夕凪の丘」の名称でリニューアルオープンしたがコロナ禍が直撃。シャイン総研を通じて「ものづくり補助金」を活用するとともにキャッシュフロー経営講座を受講した。

シャイン総研に補助金を依頼したきっかけとコロナ禍の状況を教えてください

第三セクターが運営する国民宿舎を継承し、リニューアルして開業しました。町内の一等地にある宿泊施設の灯を消すにはあまりにも惜しかったからです。出資者は地元の水産加工業者や飲食業者などです。ちょうどコロナ感染症が広がった2020年で、すぐに収まるだろうと楽観していたのですが開業から２年近くはほとんど営業にならず、2022年からようやく動き始めました。建物は地上３階、和洋15室あり、最大70名が宿泊できます。賃料の減免など香美町の配慮もありました。日本海を望むので、海に沈む美しい夕日の眺めや美味しい海の幸を提供できるのが自慢ですが、食材の鮮度を保つには急速冷凍機がどうしても必要でした。高額なので購入資金不足に悩んでいたところ、冷凍機メーカーからシャイン総研さんを紹介してもらい、「ものづくり補助金」を活用して購入することができました。

補助金を活用して、経営改善効果はありましたか？

　急速冷凍機は仕入れ値と原価率を安定させるのに大いに役立ちました。香住漁港のみで水揚げされるベニズワイガニは「香住ガニ」の名前でブランド化されており、身が詰まり、甘味も強い地元の名産品なのですが時期や漁獲量によって価格は倍以上も違います。カニに限らず、いい魚も価格の変動があるので、仕入れ値と原価率が左右されがちでした。それが急速冷凍機のおかげで比較的安価な時期に大量購入して保存しておけるようになりました。急速冷凍した後に真空パックすれば解凍しても鮮度を保つことができます。おかげで以前よりも原価率を下げることができました。また、一部のカニは水槽で一定期間は生かしてあるので、生のカニが食べられる高級コースもあります。急速冷凍機には本当に助けられました。これも補助金を申請したおかげです。

キャッシュフロー経営講座の受講するきっかけと感想を教えてください

　シャイン総研さんのメールマガジンを拝見しているうちに、「キャッシュフロー経営講座」も受けてみようと思いました。いい歳なので覚えられるか自信はありませんでしたが、もう一度勉強したいも意欲はありました。受講してみると考え方の軸ができあがり、迷いがなくなりました。それまでは競合する施設の閑散期の宿泊価格が気になったり、原価率や人件費のことばかり考えていましたが、「MQ会計」に従って数字を追っていくと腑に落ちる結果になります。従業員にも原価率を踏まえたプラン設計をさせて閑散期に実施しました。原価率を把握させるための練習のようなものです。まだ受講内容は全部実践できてはいませんが、一つずつクリアして、数年後には「実質無借金経営」を目指しています。それが実現した暁にはもう一つの柱としてカフェを開きたいと考えています。コロナ禍の不振から早く立ち直るため、これからは常連客も一層増やして経営を安定化させるつもりです。